小栗虫太郎の著作を、判明している限り、表題、掲載メディア、掲載月、備考の順に記載した。小説とその他(エッセイ、座談会、アンケート回答など)の二種に大別し、それぞれ年代順に編んだ。なお、アンソロジーや雑誌に再録されたものは、その旨明記した。
作成にあたっては、『紅毛傾城』(教養文庫、一九七八年*)に掲載された島崎博編「小栗虫太郎著作年表」を基に、ざっさくプラス、国会図書館サーチなどのデータベース、『新青年』『週刊朝日』『サンデー毎日』等の総目次、『探偵小説年鑑』、個人蔵書等から書誌データを抽出し、追加した。また、『小栗虫太郎拾遺集』(私家版、二〇〇七年)掲載の蒼龍窟居候人編「小栗虫太郎年譜」を参照のうえ、現物確認を行った。
*奥付は昭和五十二(一九七七)年八月発行となっているが、©表示は一九七八であり、本巻が作品集の最終配本で前巻が昭和五十二年十二月に発行されていることから、誤記と判断する。
本目録の作成にあたり、「『新青年』研究会」会員の黒田明氏、末永昭二氏、浜田雄介氏より貴重な情報提供を受けた。謝意を表する。
できる限り正確を期したが、誤記、遺漏はあるものと思われる。未確認の項目も多い。
〈凡例〉
一 表題は、目次ではなく、掲載誌紙面での表記を優先した。なお、原則として新字・旧仮名とした。また、該当の作品名を〈 〉内に表した。
二 掲載月は、月号表記を優先した。増刊号、週刊誌、新聞、単行本に掲載された場合は、発行年月日を記した。
三 備考には、小栗虫太郎以外の筆名、アンケートの場合は質問項目を[ ]内に挙げ、座談会の出席者は別途注記した。
四 ★の後に現物確認状況を示した。未見の場合も、新聞広告などにより書誌データの確認を行っている。
※出典:「小栗虫太郎著作目録」沢田安史編『小栗虫太郎展』図録(小樽文學舎)